どうして大手さんにシェアを占められてしまうんですか?
もちろん広告宣伝とかで、消費者の皆さんに大手さんのほうが上手くアピールしている部分は大きいと思います。でもやはり大きな違いはお酢の製造コストだと思います。私たちはそれこそ明治時代のそのままに、2ヶ月かけて仕込んで4ヶ月寝かせるお酢作り、つまり製品になるまで6ヶ月かかる昔となんら代わりのない作り方をしています。何で6ヶ月もかかるかわかりますか?じっくり2ヶ月かけて仕込んだ後にお酢の基『もろみ』を寝かせるんです。お酢が発酵するにしたがってタンクの中を自然に、ゆっくりと循環して、お酒の上面が空気に触れるんです。その部分が酢酸菌の働きでお酢に変わるんですが、それがグルリと1周するのに約2ヶ月。その間毎日、気候天候を見ながらお酢の世話をする。だから美味しいお酢が出来ると私は思っています。それが大手さんだとハイテクで、空気で攪拌(かくはん)するからお酢を作るのにかかる期間はおよそ3日。
−え?3日?
そう、3日なんです。やはり時間はコストなわけですから、私たちみたいに6ヶ月かけて、明治時代とおんなじ作り方をしているところがハイテクで3日で作るところと競争しても勝てるわけがないです。でもね、私思うんですけど時間は正直なんです。お酢は酸っぱくってとげとげしい味のイメージがあると思います。でもジックリ寝かした昔ながらの作り方をしたお酢はそんなことないです。まろやかな酸味です。確かに私たちのような作り方をしていたら、例えば、ぽん酢でも360mlで500円少々の価格ではやっていけません。赤字になります。でも現代の本物志向のお客さんなら、その違いがわかってもらえると思ってます。ただ、『うちは昔ながらの作り方で美味しい』といくら言っても、消費者の皆さんのところまで伝わらないと意味ないと思います。いかに消費者に伝えるか。そのために私は『美作大学技術交流』プラザに入会して、より地域の素材を使った、地域の消費者の人たちに認めてもらえるような新しい商品を開発したいと思っています。
−あ、なるほど。それで『美作大学技術交流プラザ』なんですね。
そうなんです。『美作大学技術交流プラザ』さんに入会する前にも、平成13年からJA久米南さんと久米南町の特産品の柚子を使って何か出来ないかと依頼を受けまして、久米南産の柚子を使ったポン酢を作りました。その時これからは地域色のある、付加価値の高い加工品しかないなと感じてまして、後日新聞で『美作大学技術交流プラザ』さんの活動を知って即入会しました。
現在は造り酒屋も、酒卸も、お酢製造も、小規模なところは全て衰退しています。私は『美作大学技術交流プラザ』を活用して、自分自身を刺激して、付加価値が高くて消費者に受け入れられるお酢の商品開発を続けて行きたいと思っています。
−津山産の食材を使った地域興しとかは?
先ずは自分の事業で儲かるようになってからでしょう(笑)。そして自分のできる範囲で地域のお役にも立てるものなら、立ちたいですね。
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